こだわって 可愛がって 上野村の「猪豚(いのぶた)」

すくすくと元気に育つ

JA上野村 いのぶた事業担当 小池 銀太さん

「わぁ可愛い!!」 上野村の特産品である「猪豚」(イノブタ)の子どもの写真に一瞬で釘付けになってしまいます。
猪豚とは、猪と豚を交配させた珍しい動物です。猪肉ならではのギュッと詰った赤身の味わいと、豚肉の脂身の甘さと旨味が凝縮された美味しさが特徴。
生後三ヶ月程度まで残る背中のウリ模様が、上野村の猪豚のトレードマークだそう。
「本当にすごく可愛いんですよ〜。実物を見せてあげれたらいいんですけどね〜」とニコニコ顔で話すのは小池銀太さん。猪豚に魅せられてこの村にやって来たそうです。
笑顔の奥には猪豚に懸ける熱い情熱と愛情がじわじわと伝わってきます。

猪豚は、飼育管理がとても難しいといいます。
本来、性質の違う動物同士を一緒にするだけでも大変そうですが、野生種であるお父さん猪の確保、そして飼育する為に、人に慣れてもらうのが一番大変だからです。 猪豚はとってもデリケート。ストレスなく元気に育ってもらうには、飼育員さんとの信頼関係が何より大切です。可愛い猪豚を一目見たい!とよく要望があるそうですが、病気やストレスを与えない為に徹底管理を行なっており、関係者以外は一切立ち居入り禁止とのこと。
「もし病気になってしまったら、何より猪豚たちが可哀想ですからね」
猪豚に会えないのはちょっぴり残念だけれど、それだけ大切に、大切に育てられているということがよく伝わってきました。

大切に育てたお肉だから美味しく食べてもらいたい

J猪豚を取り扱っているのは和歌山県、淡路島、そして上野村の3箇所だけ

猪豚を取り扱っているのは和歌山県、淡路島、そして上野村の3箇所だけです。それだけ希少価値の高いといえます。「全国で取り扱いの少ない猪豚を飼育出来るのは、大変だけれども、とても楽しい」と優しい眼差しで小池さんは言います。
上野村の猪豚は、一代交配にこだわっているのも特徴です。それは交配を続けることにより出来てしまう品質のムラをなくすため。お父さん猪と、お母さん豚から生まれたウリ模様の子どもたちが上野村の「猪豚」なのです。いつでもお客様に「美味しい!!」を提供する為の譲れないこだわりです。
口に入れたときに溶け出す甘い脂と、程よい食感と噛むほどに味わい深い赤身の風味。
上野村には、猪豚を味わえるお店が10店舗余りあります。年間250頭ほど生産された猪豚は、上野村が誇る大切なお肉。決して割引などはせず価値の分かってくれるところとだけと取引をしているそう。それぞれのお店のこだわりの調理法で味わう猪豚は、上野村のみんなに愛され、育まれた優しい味なのです。

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