手間ひまかけて育つ 上野村の「しいたけ」

見て味わう 食べて幸せ

上野村きのこセンター センター長 土屋 雅彦さん

ひとくち噛みしめるとジュワッとあふれてくる旨味たっぷりのエキス。歯ごたえのある食感が、幸せな気持ちにさせてくれます。誰もが一目みて、きっと驚くはずです。だって、とにかく肉厚!なんです。ぷっくらと驚くほど肉厚な上野村自慢の特産品「しいたけ」。この厚みが何よりのこだわりです。

きのこセンターの傍らには、関東一きれいな川に認定された神流川が流れ込み、爽やかな風が水面をキラキラと揺らします。見渡す限り一面に広がる広葉樹から出来た3種類のおがくずに、水と米ぬかやフスマ、おからなどの栄養体をたっぷりと混ぜた菌床の上で、しいたけは毎日元気にすくすくと育ちます。いい菌床を作るには手間と時間がかかります。特に植菌作業はきのこ作りの中でも重要で、雑菌が入ってしまうと培養に失敗してしまいます。美味しいしいたけを作るためには、この土台からきちんと管理する必要があるのです。

標高700m、朝と夜の寒暖差のあるこの場所は、天然しいたけが育つ環境とそっくりだそうです。
しいたけの栽培は約100日程度。その間、想像以上に人の手がかかります。菌床が一面に並べられた培養室は、室温は17℃から24℃、湿度は70%を維持しています。培養で白くなった菌床は、さらに培養が進むと黒っぽく変色してきます。培養させた後、きのこを発生させる部屋へ移します。ここでは昼間は約23℃、夜は約13℃と変温で管理。しいたけの場合は、温度差の刺激があったほうが、発生が活発になるんです。こうして、じっくりゆっくり愛情込めて育てるからこそ、大きく肉厚なしいたけが育つそうです。温度や湿度調整は機械で管理をしていても、日々の成長具合を見るためには最終的に必ず人の感覚が必要だとセンター長の土屋雅彦さんは言います。

食べごろは人の目で

小さなしいたけがポコッと顔を出しました。その横には食べごろを迎えた美味しそうな、しいたけが顔をみせています。いよいよ、お楽しみの収穫です! じつはこの収穫作業、一つひとつ大きさやカサの開き具合を目でチェックして手作業で摘み採ります。しいたけの成長はそれぞれだからです。
一番美味しい時期を見逃さないように、手早く採ることが大切なのです。一瞬の判断で採りわける作業は熟練の技。あっという間に収穫作業が進んで行きます。この収穫作業1日2回行なうとのこと。本当に美味しいきのこを届けるためには、沢山の手間ひまがかかっているのです。

新鮮だからこそ

上野村産のしいたけはとにかく肉厚。「見て驚いて、美味しいって味わってもらいたい」と言う土屋さん。焼いて食べたりお鍋に入れて食べてももちろん美味しいしいたけ。土屋さんのおすすめの食べ方は、「しいたけのお刺身」。さっと湯通しして、キュッと氷水で〆る。それをワサビ醤油で頂くだけの簡単レシピ。「採れたてじゃなきゃダメだよ。新鮮だから美味しいんだ」
もう、上野村に行ったら旨味と香りが広がるしいたけを食べなくちゃ始まりません。

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