総面積の9割以上が森林という緑豊かな上野村。その天然素材を活かした上野村の特産品が「木工品」です。
思わず笑みがこぼれてしまう、こどものオモチャ。優しいシルエットを描いたキリンにリスやイヌ。手に触れて気持ちいい器たち。上野村産の木材を使った工芸品はバライエティ豊か。
そういえば、上野村にあるお蕎麦屋(十石蕎麦)さんのせいろも、お猪口も、木製なのでしっくりと手に馴染み、その心地よさを実際に楽しむことが出来ます。村の施設を見てみると、テーブルや棚にオブジェまで、至るところに上野村の木材が使われているのに気付きます。
山が大好き、山は生活の一部だという、仲澤佳久さんは、上野村森林組合の木工課課長。幼い頃から、ずっとこの山と共に生きてきた、ちょっぴりシャイな山男。山に居ると安心すると言います。
そんな仲澤さんに、上野村森林組合の加工場をご案内いただきました。
そこには、大小さまざまな種類の木が揃い、ワクワクする現場。山と木の香りがします。
大きな木材をひょいっと運ぶ若い職人さんの姿。木材の表面を滑らかに削って行きます。
ここで扱われるのは上野村の木材。合板をつかわずほとんどが無垢の木材だそうです。森から木を切り出し、製材して、乾燥、加工、製品化から販売に至るまで全て一貫したモノづくりが行なわれています。上野村の寒い気候の中で育ったケヤキやシオジは、成長がゆっくりで、杢目が詰まるため硬く、長く使っても目が狂いにくいそうです。最近では、木工品だけでなく、雑貨から家具、建材まで幅広く利用されています。
緑豊かな自然の恵みを生かした木工品は、小さな頃から触れて欲しい。だから無垢にこだわり、子どもが口に入れても安心安全な素材しか使いません。そっと触れると、木のぬくもりと人のやさしさが伝わってくるようです。こっそりと押された、上野村の焼き印が品質の目印です。
ここでは若い女性や新卒の子が、一生懸命楽しそうに働いている姿が目立ちます。若干40名のスタッフのうち約65%がIターンということに驚きます。今、この美しい山に囲まれた上野村に魅せられて林業、木工業に携わりたいと夢を持った人たちが増えているそうです。
また、都心で展開している飲食店の店舗内装に上野村の木材が使用されたりと、木材の価値が見直され始めています。もちろん、山が大好き!仲澤さんのご自宅も、上野村の木材を使用した木のお家とのこと。木のある生活は、暖かな太陽の日差しに包まれるような、自然な優しさをホッと感じる暮らしのような気がしました。
上野村には、木工品を販売しているショップや木工体験が出来る場所があります。道の駅に隣接する「ウッディー上野村銘木工芸館」では、職人さんが一つひとつ丹念に手作りしたお椀や器、漆塗りのお盆などの和食器から、一枚板座卓や食器棚などの和家具。お子様に安心な無塗装・積み木等の天然木のおもちゃまで豊富に揃います。贈り物や自分へのご褒美として、ステキな逸品に出会えます。
また、「森の体験館」では、上野村の大自然の中にある素材を使い、世界に一つだけの木工品づくりができます。木に触れ、創る作業は、大自然のと繋がりを感じ、癒しを届けてくれます。上野村の旅の思い出に、木の優しいぬくもりを感じながらものづくりの楽しさを味わってください。